製造業の採用で内定前に確認すべきこと|本人と会社を守る就業上の配慮事項
- ラボ メグミ労務
- 5月4日
- 読了時間: 18分
内定を出してからでは遅い?製造業の採用で確認したい就業上の配慮事項
本記事は、製造業の採用担当者・人事担当者向けに、内定前に確認すべき就業上の配慮事項を整理したものです。
5月に入り、企業では学生への内々定出しが早くも進み始めています。
近年の新卒採用では、インターンシップや早期選考をきっかけに、正式な内定日より前に「内々定」を出すケースも珍しくありません。
実際、2026年卒の大学生については、4月末時点の内々定保有率が70.0%に達していたとの調査もあり、採用活動の早期化が進んでいることがうかがえます。
一方で、政府の就職・採用活動日程ルールでは、大学等卒業予定者について、
・広報活動開始は卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
・採用選考活動開始は6月1日以降
・正式な内定日は10月1日以降
を原則としています。
つまり実務上は、春から夏にかけて内々定を出し、10月以降に正式な内定へ進む、という流れをとる企業も多いと考えられます。
このように採用活動が早期化する中で、企業側が注意したいのは、内々定や内定を出す前に、何を確認しておくべきかという点です。
特に製造業では、配属予定の業務が、機械設備、重量物、立ち作業、夜勤、車両、フォークリフトなど、本人や周囲の安全に関わる場合があります。
内定を出した後や入社後に、予定していた業務への従事が難しい事情が分かると、会社にとっても本人にとっても対応が難しくなります。
そこでこの記事では、製造業の採用において、内々定・内定を出す前に確認しておきたい「就業上の配慮事項」について、採用担当者が実務で使いやすい形で整理します。
1. 採用内定は、単なる「採用予定」ではない
🔍 要点まとめ
採用内定は「始期付解約権留保付労働契約」として扱われる
内定取消しは「解雇に準じた扱い」とされ、厳しい要件が必要
大日本印刷事件(最判昭和54年7月20日)でも、取消しには合理性・相当性が必要とされた
だからこそ「内定前に確認すべき事項」を整えることが重要
まず押さえておきたいのは、採用内定の法的な位置づけです。
採用内定について、労働基準法などに明確な定義規定があるわけではありません。
しかし一般には、採用内定とは、労働者と使用者との間で、入社日という一定の始期を定め、採用内定通知書や誓約書に記載された内定取消事由が生じた場合には解約できるという条件を付けた労働契約が成立した状態と考えられています。
厚生労働省の解説でも、採用内定は、一定の始期および採用内定取消事由が生じた場合には解約できるという解約権留保を付して労働契約を締結した状態を指すことが多いとされています。
たとえば、会社が応募者に対して、
「2027年4月1日付で正社員として採用します。職種は製造職です。入社承諾書を提出してください。」
と通知し、本人がこれを承諾した場合には、
入社日はまだ先であっても、労働契約が成立していると判断される可能性があります。
このような採用内定は、法的にはしばしば 「始期付解約権留保付労働契約」 と説明されます。
「始期付」とは、実際に働き始める日が将来に定められているという意味です。
「解約権留保付」とは、卒業できなかった場合、必要資格を取得できなかった場合、重大な虚偽申告があった場合など、一定の事由があるときには会社が解約できる余地を残しているという意味です。
ただし、内定取消事由を記載していれば、会社が自由に内定を取り消せるわけではありません。
採用内定により労働契約が成立していると認められる場合、内定取消しは労働契約の一方的な解約に近いものとして扱われます。
そのため、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当といえる場合でなければ、内定取り消しは有効とは認められにくいと考えられます。
したがって、内定を出す前に、会社が確認すべきことを確認し、採用・配置・安全配慮の設計を整えておくことが重要です。
2. 内々定でも「採用への期待」を高めすぎない注意が必要
🔍 要点まとめ
内々定は「労働契約成立前」であることが多い
しかし企業の言動によっては、信義則違反・期待権侵害が問題となる
「内々定だから自由に取り消せる」は誤り
早期選考が進む今こそ、内々定段階での説明・確認が重要
正式な内定より前に出される「内々定」は、一般に、採用内定に至る前の段階と考えられます。
内々定の時点では、労働契約が成立しているとまではいえないケースも多いでしょう。
しかし、内々定であれば会社が自由に取り消せる、ということではありません。
たとえば、会社が学生に対して、
「当社に来てください。他社の選考は辞退してください。10月1日に正式な内定通知を出します。」
というように伝え、学生が他社の選考や内々定を辞退した場合には、会社への信頼や期待が強く形成されます。
このような場合、労働契約がまだ成立していないとしても、内々定取消しの時期、理由、説明の仕方によっては、信義則上の問題や期待権侵害の問題が生じることがあります。
そのため、内々定の段階でも、企業側は「まだ正式内定ではないから大丈夫」と安易に考えるべきではありません。
特に製造業においては、内々定から正式内定までの期間に、配属予定業務の内容、必要な能力、安全上の留意点、就業上の配慮事項を整理しておくことが重要です。
3. 製造業では「予定業務に安全に従事できるか」が重要になる
🔍 要点まとめ
健康情報の取得は「業務との関連性」が必須
厚労省も「業務と無関係な健康情報の取得は不適切」と明示
製造業では安全配慮義務が強く、確認すべき事項がある
病名ではなく「業務遂行上の配慮事項」を確認する
採用選考では、応募者の適性や能力に基づいて採否を判断することが基本です。
したがって、応募者の健康状態や病歴を、業務との関連性なく広く確認することは避けるべきです。
厚生労働省は、公正な採用選考について、応募者の適性・能力に基づいて採否を判断することが基本であり、合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断や健康情報の把握は、就職差別につながるおそれがあるとしています。
一方で、製造業では、本人や周囲の安全を守るために、予定業務との関係で確認が必要な事項もあります。
たとえば、次のような業務では、作業中の急な体調不良、意識消失、転倒、けいれん等が、本人だけでなく周囲の労働者にも重大な影響を及ぼす可能性があります。
回転部・可動部のある機械の近くで行う作業
プレス機、切削機械、加工機械などを扱う作業
重量物を取り扱う作業
高所作業
フォークリフトや車両を扱う作業
夜勤や長時間の立ち作業
単独作業や緊急時に周囲の発見が遅れる作業
このような場合、会社として、
予定している業務に安全に従事できるか、必要な配慮や業務上の制限があるか
について確認すべきです。
4. 「就業上の配慮事項」を確認する
🔍 要点まとめ
病名を尋ねるのは不適切
業務との関連性に基づく「配慮事項」の確認が必要
厚労省のガイドラインにも沿った方法
差別的取扱いを避けつつ、安全配慮を確保する
採用時に避けたいのは、具体的な病名を広い範囲で聞くことです。
業務との関連性が不明確なまま健康情報を広く取得することになりやすく、差別的な取扱いと評価されるリスクがあります。
一方で、製造業の安全配慮の観点から、予定業務に関係する範囲で確認すべき事項はあります。
その場合は、病名を尋ねるのではなく、次のように確認する方が適切です。
避けたい聞き方 | 望ましい聞き方 |
持病はありますか | 配属予定業務に従事するうえで、会社に申し出るべき配慮事項はありますか |
持病がある場合は、病名をすべて書いてください。 | 安全に就業するために必要な業務上の制限・配慮があれば記載してください |
健康に問題はありませんか | 配属予定業務の内容を確認したうえで、就業上の支障や配慮事項の有無を回答してください |
〇〇(病名)はありますか | 作業中の意識消失、けいれん、転倒、急な体調不良等により、本人または周囲の安全に影響する可能性のある事情はありますか |
採用時に確認する目的は、応募者を病名で排除することではありません。
本人が安全に働けるか、会社が必要な配慮を講じられるかを検討するためです。
5.会社が先に「予定業務」と安全上の留意点を説明する
🔍 要点まとめ
予定業務の説明がないと、応募者は配慮事項を申告できない
製造業は業務内容の幅が広く、説明が必須
「業務説明 → 配慮事項確認」の順番が重要
応募者に就業上の配慮事項を確認する前に、会社側がやるべきことがあります。
それは、予定している業務内容を具体的に説明すること です。
「製造職です」「現場作業です」
という説明だけでは、応募者は、自分の健康状態や体調面で何を申し出ればよいのか判断できません。
同じ製造職でも、実際の作業内容は会社によって大きく異なります。
どのような機械・機具の操作をするのか
動いている機械の近くで補助作業をするのか
重量物を扱うのか
高温・騒音・粉じん等の環境があるのか
夜勤があるのか
単独作業があるのか
保護具の着用が必要なのか
こうした内容を説明したうえで、就業上の配慮事項を確認する必要があります。
たとえば、次のような形で配属予定業務の内容を説明しておくと、応募者も就業上の配慮事項を申し出やすくなります。
配属予定業務説明書の文例
配属予定業務説明書 配属予定職種:製造職 配属予定部署:〇〇工場 〇〇課 配属予定業務では、製造設備の操作補助、部品加工、組立、検査、運搬、清掃、段取り作業等を行う場合があります。 作業場所には、回転部・可動部を有する機械、加工設備、搬送設備等があり、作業手順や安全ルールを遵守する必要があります。 また、作業中の意識消失、けいれん、転倒、急な体調不良等は、本人および周囲の労働者の安全に影響する可能性があります。 そのため、当該業務に従事するにあたり、就業上の配慮事項、業務上の制限、安全上会社に申し出るべき事項がある場合は、事前に申し出てください。 なお、申し出られた内容は、採用・配置・安全配慮の検討に必要な範囲で取り扱います。
このように、会社が先に業務内容と安全上の留意点を示すことで、応募者も回答しやすくなります。
6. 就業上の配慮事項確認書を用意する
🔍 要点まとめ
病歴を網羅的に聞く書式はNG
「業務遂行に必要な範囲」で作成する
障害者雇用促進法の合理的配慮義務にも適合
製造業の採用では、内定前に「就業上の配慮事項確認書」を用意しておくと実務上有効です。
この確認書は、応募者の病歴を網羅的に把握するためのものではありません。
会社が説明した配属予定業務を前提に、本人または周囲の安全に影響する可能性のある事情や、必要な配慮事項を確認するためのものです。
文例としては、次のような形が考えられます。
就業上の配慮事項確認書の文例
就業上の配慮事項確認書 私は、会社から配属予定業務の内容および安全上の留意点について説明を受け、内容を確認しました。 配属予定業務に従事するにあたり、現時点で会社に申し出るべき就業上の配慮事項、業務上の制限、安全上の留意事項について、以下のとおり回答します。 1. 配属予定業務に従事するうえで、会社に申し出るべき就業上の配慮事項はありますか。 □ なし □ あり 2. 作業中の意識消失、けいれん、転倒、急な体調不良等により、本人または周囲の安全に影響する可能性のある事情はありますか。 □ なし □ あり 3. 業務上避ける必要がある作業、配慮を希望する事項、通院・服薬等に関して、任意で会社に伝えておくべきとお考えの事項があれば記載してください。 内容:__________________________ 4. 必要に応じて、会社が本人の同意を得たうえで、主治医または産業医等の意見を確認する場合があります。 □ 確認しました 5. 今後、就業上の安全に影響する事情が生じた場合、または申告内容に変更があった場合は、速やかに会社へ申し出ます。 □ 確認しました 年月日: 氏名:
この確認書を使う場合には、応募者に対して、次の点も説明しておくとよいでしょう。
この確認は、病歴そのものを理由に採否を判断するためのものではありません。 配属予定業務に安全に従事できるか、必要な配慮があるかを確認するためのものです。 取得した情報は、就業上の安全確保および必要な配慮の検討に必要な範囲で取り扱います。
この説明を添えることで、会社側の確認目的が明確になります。
7. 必要に応じて主治医・産業医の意見を確認する
🔍 要点まとめ
本人同意が必須
病名ではなく「業務遂行上の可否」を確認
障害者雇用促進法の合理的配慮義務にも関係
本人から就業上の配慮事項の申出があった場合、会社だけで就業可否を判断するのは避けた方がよいでしょう。
特に、機械作業、高所作業、車両運転、単独作業など、本人や周囲の安全に影響する可能性がある場合は、本人の同意を得たうえで、主治医や産業医等の意見を確認することが望まれます。
このときも、会社が確認すべきなのは病名そのものではなく、
予定業務との関係で、どの作業が可能か、どの作業に制限が必要か、どのような配慮があれば安全に働けるか です。
主治医意見書提出依頼文の文例
主治医意見書提出のお願い 当社では、本人が安全に就業できる環境を検討するため、本人の同意に基づき、主治医の先生のご意見を確認したいと考えております。 配属予定業務には、製造設備の操作補助、部品加工、組立、検査、運搬、立ち作業等が含まれる場合があります。 作業場所には、回転部・可動部を有する機械や搬送設備等があり、作業中の意識消失、転倒、急な体調不良等は、本人および周囲の安全に影響する可能性があります。 つきましては、現在の健康状態を前提として、以下の事項についてご意見をいただけますと幸いです。 なお、取得した情報は、就業上の安全確保および必要な配慮の検討に必要な範囲でのみ利用します。
上記業務への従事について、医学的に制限すべき作業はありますか。
避けるべき作業、勤務形態、作業環境はありますか。
安全に就業するために必要な配慮はありますか。
体調不良時、発作時、服薬忘れ等があった場合の対応として、会社が把握しておくべき事項はありますか。
定期的な通院、服薬、勤務時間上の配慮が必要な場合、その内容を教えてください。
また、障害者雇用促進法では、雇用分野における障害者差別の禁止と合理的配慮の提供義務が定められています。
厚生労働省も、雇用分野での障害者差別は禁止され、合理的配慮の提供は義務であると説明しています。
そのため、健康上の事情や障害に関する申出があった場合も、会社は直ちに不採用とするのではなく、まずは業務内容、配置可能性、必要な配慮、会社として対応可能な範囲を検討することが重要です。
8. 内定通知書には取消事由を具体的に記載する
🔍 要点まとめ
病名を理由にした取消しはNG
取消事由は「業務との関連性」で説明できる内容に
「社会通念上、採用内定を維持しがたいと認められる重大な事由」と書くと安全
正式に内定通知を出す場合は、内定取消事由を具体的に記載しておくことも大切です。
ただし、取消事由を書いておけば、会社が自由に内定を取り消せるわけではありません。
採用内定により労働契約が成立していると判断される場合、内定取消しには客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が求められます。
そのため、内定取消事由は、広すぎる表現ではなく、業務との関係で合理的に説明できる内容にしておく必要があります。
内定通知書の取消事由の文例
採用内定通知書 当社は、選考の結果、貴殿を下記の条件により採用内定者とすることを通知します。 入社予定日:〇年〇月〇日 配属予定職種:製造職 勤務地:〇〇工場 業務内容:製造設備の操作補助、部品加工、組立、検査、運搬その他これに付随する業務 なお、次のいずれかに該当する場合は、採用内定を取り消すことがあります。
学校を卒業できなかった場合
採用条件とした免許・資格等を取得できなかった場合
提出書類または申告内容に重大な虚偽、不申告があった場合
採用選考時または内定後に確認した事項について、採用判断に重大な影響を及ぼす事実が判明した場合
健康状態その他の事情により、採用条件とした業務に従事することが著しく困難であると判明した場合
本人または周囲の安全確保の観点から、予定業務への配置が著しく困難であり、かつ代替配置その他の合理的な対応を検討しても就業が困難であると判断される場合
犯罪行為その他、従業員としての適格性を著しく欠く重大な事情が判明した場合
天災地変その他やむを得ない事由により、採用が著しく困難となった場合
その他、採用内定を維持しがたい重大な事由が生じた場合
ここで重要なのは、特定の病名を理由に取消すような書き方にしないことです。
会社が見るべきなのは、次の点です。
予定業務に安全に従事できるか
本人や周囲の安全を確保できるか
必要な配慮を講じることで就業可能か
代替配置の可能性があるか
内定通知書に取消事由を記載する目的は、会社が一方的に内定を取り消しやすくするためではありません。
入社前に確認すべき事項や、内定を維持できなくなる可能性がある重大な事情を、会社と本人の双方であらかじめ共有しておくためです。
これにより、後になって「聞いていなかった」「そこまで重要だと思っていなかった」という行き違いを防ぎやすくなります。
9. 内定前の実務フローを整える
🔍 要点まとめ
採用フローを整えることでトラブル防止
「業務説明 → 配慮事項確認 → 医師意見 → 配置検討 → 内定通知」
感覚ではなく、業務内容と安全配慮に基づく採用判断が可能に
内定前の段階で、次のような流れを整えておくと、トラブル防止につながります。
1 | 配属予定業務の内容と安全上の留意点を整理する |
2 | 応募者に予定業務を具体的に説明する |
3 | 就業上の配慮事項確認書で、必要な配慮・制限の有無を確認する |
4 | 申出がある場合は、本人の同意を得て主治医・産業医等の意見を確認する |
5 | 配置可能性、業務内容の調整、合理的配慮の可否を検討する |
6 | 採用する場合は、内定通知書に入社日・職種・業務内容・取消事由を明記する |
7 | 入社後も、体調不良時の申告ルールや緊急時対応を確認する |
このような流れを整えておけば、会社は採用判断を感覚ではなく、業務内容と安全配慮の観点から行うことができます。
また、応募者にとっても、自分がどのような業務に就くのか、どのような配慮を申し出ればよいのかが分かりやすくなります。
10. 入社後に健康上の事情が分かった場合の対応
🔍 要点まとめ
直ちに解雇・配置不可と判断しない
本人確認 → 医師意見 → 業務リスク整理 → 配置検討
合理的配慮の検討が必須
内定前に確認していても、入社後に健康上の事情が分かることはあります。
その場合でも、直ちに解雇や配置不可を判断するのではなく、まずは次の順番で対応することを勧めます。
本人から事情を確認する
必要に応じて主治医・産業医等の意見を確認する
予定業務におけるリスクを整理する
業務内容の調整、配置転換、勤務上の配慮を検討する
体調不良時や緊急時の対応ルールを決める
必要な範囲で関係者に共有する
定期的に状況を確認する
その際、口頭での確認だけで済ませるのではなく、本人と会社の間で、体調管理、服薬、体調不良時の申告、緊急時対応などについて共通認識を持ち、必要な範囲で書面に残しておくことが大切です。
この確認書は、本人が安全に働き続けるために必要な情報を共有し、会社としてどのような配慮や対応を行うかを整理するためのものです。
たとえば、次のような確認書を作成しておくことが考えられます。
就業上の安全配慮に関する確認書
私は、現在の健康状態および治療状況を踏まえ、会社から説明を受けた業務に従事するにあたり、安全上必要な事項について会社に申告しました。 今後、服薬、通院、体調管理を適切に行い、体調不良、服薬忘れ、発作の前兆、その他安全に影響する事情がある場合は、速やかに上司に申し出ます。 会社は、本人の健康情報について、就業上の安全確保および必要な配慮の検討に必要な範囲で取り扱います。 また、業務内容、配置、勤務時間、緊急時対応等について必要な見直しがある場合は、本人と会社で協議します。 年月日: 氏名:
このように、入社後の対応も「本人任せ」にせず、会社として安全配慮の記録を残しておくことが大切です。
11. 採用担当者向けチェックリスト
最後に、製造業の採用で内定前に確認したい項目を整理します。
チェック項目 | 確認内容 |
予定業務の説明 | 職種名だけでなく、作業内容・安全上の留意点を説明したか |
業務との関連性 | 健康情報の確認が、予定業務との関係で必要な範囲に限られているか |
質問の仕方 | 病名を広く聞くのではなく、就業上の配慮事項を確認しているか |
本人申告 | 就業上の配慮事項確認書を取得しているか |
医師意見 | 必要に応じて、本人の同意を得て主治医・産業医等の意見を確認しているか |
合理的配慮 | 業務内容の調整、配置転換、勤務時間の配慮等を検討しているか |
内定通知書 | 入社日、職種、業務内容、取消事由を明確に記載しているか |
個人情報管理 | 健康情報を必要最小限の範囲で取り扱っているか |
入社後対応 | 体調不良時の申告ルール、緊急時対応、定期確認の方法を決めているか |
まとめ:内定前の確認は、本人と会社の双方を守るためのもの
採用時の確認は、応募者を排除するためのものではありません。
・本人が安全に働けるか。
・会社が必要な配慮を講じられるか。
・予定している業務に無理なく従事できるか。
・万一のときに本人や周囲の安全を守れるか。
これらを、内定前に丁寧に確認するためのものです。
特に製造業では、内定を出した後に予定業務への就業が難しい事情が判明すると、本人にとっても会社にとっても大きな負担になります。
予定業務に安全に従事できるか。
必要な配慮を講じれば就業可能か。
代替配置や業務調整の余地があるか。
だからこそ、採用時の説明資料、就業上の配慮事項確認書、内定通知書などをあらかじめ整え、確認すべき事項を採用フローの中に組み込んでおくことが大切です。
製造業の採用では、「内定前の設計」が本人と会社の双方を守る土台になります。
採用書類や内定通知書の見直し、就業上の配慮事項確認書の作成、製造現場に合わせた採用フローの整備でお困りの際は、メグミ労務ラボにご相談ください。
参考情報
参考情報 | URL |
内閣官房「2026(令和8)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」 | |
厚生労働省「大学等卒業・修了予定者の就職・採用活動時期について」 | |
厚生労働省「採用選考時に配慮すべき事項」 | |
厚生労働省「雇用分野における障害者への差別禁止・合理的配慮」 | |
マイナビ「2026年卒 大学生キャリア意向調査4月<就職活動・進路決定>」 |




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